大阪キタの中心地、梅田から神戸三宮、元町などを経由し山陽姫路まで直通運転を行う本線と、尼崎から大阪難波を経由し近鉄奈良まで直通運転を行うなんば線、そして、わずか1.7kmの単線区間を2両編成の電車がコトコトと走る武庫川線の全3路線(神戸高速線を除く)を有する阪神電気鉄道。そんな「阪神電車」は説明するまでもなく、かの有名な球団、阪神タイガースを抱える全国でも知名度はトップクラスの鉄道。

都市間鉄道、いわゆるインターアーバンとしての歴史は国内でもっとも古く、今もなお、大阪と神戸の大都市圏を結ぶ重要な幹線としてその役割を担うだけでなく、2009年の西大阪線延伸に伴うなんば線の開業によって、近鉄電車と一本で結ばれたことにより、日本を代表する観光地のひとつでもある奈良や、伊勢志摩へのアクセスも容易となり、近年では観光路線としての一面も覗かせています。

阪神電車と言えば、タイガース、甲子園...。もちろん有名なのはそれだけではありません。駅間の短い中で、いかに急行や特急などの優等列車のダイヤを乱すことなく所要時間の短縮も図ることのできる、高加速と高減速性能を持ち合わせた普通列車専用車両、通称「ジェットカー」は、そのスタートダッシュの俊足さから、かつて日本テレビ「ザ! 鉄腕! DASH!!」の企画でTOKIOと競走対決をしたほど。大都市圏の足であり、観光地へも一本で行くことができ、ジェットカーというユニークで理にかなった車両を持つ有能な阪神電車にできないことは、もはや農業だけ。と言っても過言ではないはず。

と思ったら、阪神電車もシイタケの試験栽培など農業分野の事業をやっていたそうです。情報を提供してくださった、まんさま(@manbies)、ありがとうございます。もう無敵ですね。(2016.9.18 追記)

阪神電車では優等運用につく車両(左)と普通運用につく車両(右)とで色分けがなされており、初見でも利用がしやすい。タイガースを保有している鉄道でありながらオレンジというジャイアンツカラーについては突っ込まないお約束。

そんな阪神電車のユニークさ、個性は、なにも「車両のこと」だけではありません。人柄も土地柄も、その周囲の環境が生み出すものと言ってもいいでしょう。「おもろい阪神電車」という環境が生み出したサインシステム「えきもじ」は、ほかの鉄道会社では見られない個性あふれるデザインとして、全国のもじ鉄の中でも注目の的に。そうです、書体のチョイスに強烈な個性を感じられずにはいられないのです。

ということで「えきもじの見索」第4回阪神電鉄編は、小さいころから「キミは個性が強いから将来大物になるよ」と言われつづけ、そのことを鵜呑みに「大物になる」と信じつづけ、根拠のない自信だけを持ったまま社会に出て、大物どころか小物にすらなれない、なんの取り柄もない「スタートダッシュの遅い普通列車」として、日々「思い描いていた将来と違う」などと嘆きながら生きている残念な筆者が、個性という言葉の危うさに恐怖感を抱きつつ、それでも個性は大事なんだと「えきもじ」を通じてみなさんにお伝えしたい哲学的な記事に...、なるのでしょうか。それではごゆっくりお楽しみください。

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