教えて! おけいはん先生

ホーム用の駅名標には大きく分けて4つの種類があります。まずひとつは前のページで紹介した、屋根から吊り下げられた「吊り下げ型」。次に屋根のない場所で自立する「建植型」。地下駅など壁面に設置された「壁面型」。そして屋根を支える支柱に取り付けられた「柱型」です。ここでは「柱型」を省略させていただき「建植型」を見てみましょう。

基本的なデザインは吊り下げ型と同様ですが、建植型はイエローの出口案内板とセットになっています。必要な情報がひとつになっており、目線の移動も少なく分かりやすいですね。次は京都競馬場の最寄駅である淀駅を例に副名称付きの駅名標です。

こちらも建植型ですが、屋根のある部分に設置されているためか、先にあげた六地蔵駅のような「完全に屋外のもの」とは性格が異なり、出口案内板の代わりに時刻表とセットになっています。自駅表記の下に小さく「京都競馬場」と副名称が付いていますが、昨今よく見られるネーミングライツ的な副名称と異なるためか、それほど重要視はされていないようです。同じく中之島駅にも「大阪国際会議場」の副名称が付いていますね。京阪電車で副名称が付いている駅はこの2駅のみです。

さて、この中之島駅の駅名標は濃紺の部分が浮き上がっているように見えますね。なんだかとってもオシャレです。いったいどのような処理になっているのでしょうか。駅名標の端の部分をズームしてみます。

よくよく見てみるとハーフトーンの細かな黒点がありますね。山手線の新型車両E235系のグリーンの部分を思い出していただければ「あの点々」と納得できるかと思います。

 

ほぼ全駅統一仕様の駅名標デザインながら中之島線の地下駅の独特な空間を壊すことなく、ちょっとした工夫で幻想的にさえ思える雰囲気に。本当に芸が細かいです。そして仕事が丁寧です。ちょっとしたことって大事ですよね。別にここまで凝らなくていいのに凝ってしまう。ついつい「これでいいや」と終わりにしがちなことも「本当にそれでいいのか」と疑問を抱く姿勢。京阪電車のサインシステムからデザインや人生に関するさまざまなことを学べそうです。だんだんと意識が高まってきました。ヴィレッジヴァンガードで自己啓発本を買って、オーガニックな服を着て、ウユニ塩湖へ行きたくなります。

一時期ベジタリアンを目指すも、緑の便が怖くてやめたボクです。

最後は三条駅を例に中之島線以外の地下駅で見られる帯状の駅名標ですが、清水五条駅以北の地下駅、そして淀屋橋駅、北浜駅では標準的な濃紺の駅名標ではなく、三条駅は深みのあるレッド、祇園四条駅はイエローなどと駅ごとに色分けされたサインになっています。この帯状のものは東京の旧営団地下鉄で採用されたタイプを踏襲したデザインとなっており、京阪電車以外にも横浜市営地下鉄、名古屋市営地下鉄など、地下鉄、地下駅を中心に全国的な広がりを見せています。もちろんここでも書体は抜かりなく新ゴとFrutigerですので、これまでに見た限り例外はないようですね。

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文・写真 _ 石川祐基 | 公開日 _ 2016.07.29

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