駅名標書体をフォント化したい!

なにかを好きになるということは、そのなにかを手に入れたいというのが人間の性。鉄道好きも例外ではなく、実際に鉄道で使われていた備品や掲示物を手に入れることで、ホンモノを身近に置けるという喜びがあります。筆者ももちろんその中の一人。京急では年に一回、毎年春に久里浜で開催される「京急ファミリー鉄道フェスタ」で、実際に使われていたさまざまな備品や掲示物をはじめ、電車の座席やドア、運転台のマスコンまでを手に入れることのできるチャンスが訪れます。実際、筆者の自宅にも行き場を失った800形の運転台メーターパネルが無造作に床に鎮座しております。

 

鉄道好き以外にはなかなか理解されにくい、いわゆる廃品ではありますが、以前実家の京急グッズを整理していた際に発掘した2世代前の路線図に京急の駅名標書体が使われていることを発見し、迷わず自宅へカムバック。おそらくこの路線図でしかお目にかかることのできない駅名標書体の仮名表記「ご案内」の「ご」の字を確認することができます。

駅名標書体が使われた「京急停車駅ご案内」もそうですが、京急ファンとしてはかつての急行(通称逗子急)や通勤快特にエアポート特急など、思わず「ヤバイ! アツイ! 間違いない!」と叫んでしまいたくなるような要素が盛りだくさん。その後、1999年7月の歴史的な白紙ダイヤ改正によって、急行、日中の特急、エアポート特急、通勤快特が廃止され、日中は普通と快特の2本立てに。そして再び急行がエアポート急行を名前を変えて復活し、現在の運行形態となっています。

 

さて肝心の駅名標書体ですが、京急ファンの願いとしては駅名以外の文字も収録した「完全フォント化」です。駅名に出てくる文字であれば駅名標を撮影した写真をPC上でトレースをすることによって再現できますが、それ以外の漢字や仮名は己の想像力に任せるしかありません。しかしなにか参考になる文字が欲しいと思いませんか。そんな京急駅名標書体再現クラスタのみなさんに朗報です。「KSゴシック体字典」というレタリング集をご存知でしょうか。現在ではなかなか手に入りにくい本ではありますが、このKSゴシック体の文字の造形が駅名標書体と似ているため、こちらのレタリング集を参考にフォント化作業を進めると、非常に効率良く駅名以外の文字も作ることができるのです。効率が良いと言っても2792字もあるのですが...。

文字を空想しよう。KSだけに。

レタリング集は文字好きにとっての「エロ本」。いくらめくっても文字しか出てこない最高のオカズ。これだけでご飯3杯は行けますね。あ、オカズってご飯のオカズのことですよ。変なこと考えないでください。変態!

もちろん駅名標書体とまったく同じではなく雰囲気が似ているという程度ですので、そのままトレースをしても縦横比や斜体にした際にバランスが崩れるなど調整すべき箇所は多々ありますが、「雰囲気」という点だけでも参考になります。ぜひどなたか、この「KSゴシック体字典」を参考に京急駅名標書体の完全フォント化をお願いいたします。もしクラウドファンディングでフォント化のための費用を募るのであれば、万は出します。逆に数年間は食うに困らない費用をいただければ私鉄ゴシックにつづく「もじ急行」の目玉企画として完全フォント化を目指し...、たいのですが、京急電鉄さんの許可も必要ですね。

 

中の方...、聞こえていますか...、駅名標書体を商品化しませんか...。鉄道会社が書体を販売する...、間違いなく話題になりますよ...。

 

と、高輪に向かって念を送ったところで、つづいてはホーム用駅名標の見索へとまいりましょう。こちらももちろん駅入口の駅名標と同様に新旧合わせてご紹介いたします。日常生活でまったく役に立たない「絶対フォント感」も鍛えることができるはずです。ぜひ目を凝らしてご覧ください。

次のページへ

文・写真 _ 石川祐基 | 公開日 _ 2016.10.07

いい電の、

いい文字。

えきもじの見索

京成電鉄編

えきもじの見索

京急電鉄編

擬もじ化フォント

GINZA_01

えきもじの見索

東急電鉄編

考察内容はもじ急行の見解に基づくものであり、実際と異なる場合がございます。また記載されている情報は特記事項を除き取材当時のものであり、現状と異なる場合がございます。