あなたも違いが分かるフレンズになろうよ

駅番号の異なる部分、それは番号を囲う円の太さもそうですが、文字的には「KS」が同じDINでも正体(通常の形)のDINか、縦に長いCondensedのDINか...。

写真の通り左側、京成八幡駅(KS16)は正体のDIN、右側、京成曳舟駅(KS46)はDIN Condensedとそれぞれ異なっています。いったいどちらが正しいのでしょう。それともオフィシャルに2パターンが存在するのでしょうか。

 

これらは制作・設置時期の違いによって生まれたものであると推測できますが、のちほど紹介するホーム用駅名標の駅番号に記された「KS」はDIN Condensedで統一されていることから、右側(KS46)の表記が一般的なようです。ただし駅入口の駅名標に限り、円の太さは左側(KS16)が大多数。つまり以下の表記方法がより正解に近いと言えるでしょうか。

どうやら早々に「沼」の予感がしますね。これは楽しみです。もちろん普段利用している分にはまったく気にならない違いではあるのですが、こういった差異を見つけることも趣味的には醍醐味のひとつであるとご理解いただければ幸いです。だから性格が悪いだなんて言わないでくださいね。聖人です。

 

さて次はオマケではありますが、これまでに紹介した駅名標の形式だけではなく、2017年3月現在の京成線でもっとも新しい駅と言ってもいい、リニューアルによって大きな変貌を遂げた千住大橋駅では駅の外観に合わせた立体的な駅名標も存在します。

「京成電鉄」のロゴタイプが誇らしげですね。DINも素敵です。アルファベット一文字だけでいいのでもらうことはできないのでしょうか。できないでしょうね。

 

あれれ、今度は「KS」がCondensedではなく正体のDINです。先ほどCondensedがより正解に近いと書いたばかりなのに...。この場合は駅番号が円で囲われたデザインではないので視認性を重視して正体のDINが使われているのでしょう。つまり、どれが正解と決めつけるのはよくないということです。この世に正解なんてものは存在しません。ただひとつ確実な正解があるとすれば、それは越後製菓です。

「あっ! 越後製菓」「あっ! 小林製薬」

つづいては旧デザインの駅名標です。日本語表記は写植書体であるナール。写植、いわゆるデジタル化されていない、今ではなかなか手に入れることの難しい書体でアール。

 

「えきもじの見索」京急電鉄編や名古屋市営地下鉄編で登場したゴナという書体の仲間とも言うべき文字であり、どちらの名前にも「ナ」が付いているのは、ナールやゴナを制作された方が中村征宏さんなので「ナ」ということなのです。たぶん、そういうことです。

 

ナールが使われている駅名標は旧デザインの中でも初期から中期にかけてのものであり、旧デザインながら比較的新しいものにはナールと似ている書体であるスーラが使われています。スーラはデジタル化されているので手に入れることも容易ですね。せっかくなのでナールとスーラを比べてみましょう。みなさんもどこか違うか見つけてみてください。

基本的には似たような造形ですが「成」や「久」に顕著な違いが見られます。分かりましたでしょうか。個人的な主観ではありますがナールは見出しなど大きなサイズでの表記に適し、スーラはナールに比べると本文などに向いているようにも思えます。一見すると気づかない似たような書体でも、ほんの小さな違いからそれぞれに適した使い方があるという発見に、ナールほどザ・ワールド。

子どもにとってトランプマンは恐怖でしかないよ。

最後に柴又駅の楷書体をご紹介して次のページへとまいりましょう。このタイプの駅名標は柴又駅でしか見ることのできないものですが、雑誌やテレビなどで柴又駅を目にすることも多く比較的有名な駅名標ですね。なお「又」の字の中央に点がついていますが、正式な表記は点のない柴「又」駅です。

 

ところで柴又といえばトラちゃん。放浪の旅をつづけるフレンズですね。駅前にはトラちゃんの銅像もあり、東京観光に訪れた多くのフレンズでいっぱい。すごーい。寅さんをトラちゃんに変えるだけでこんなにも印象が変わるなんてすごーい。でも「男はつらいよ」というタイトルを「男フレンズ」にするとBL感がすごーい。

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文・写真 _ 石川祐基 | 公開日 _ 2017.03.30

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