色を失った東急線?

中目黒と言えばみなさんどのようなイメージをお持ちでしょうか。オシャレな街、目黒川の桜並木、丸い高層ビル。でもサイン好きな方にとってはそんなもの、バッカじゃ中目黒、なーに祐天寺。中目黒駅には東急で唯一、東横線のレッドや田園都市線のグリーンなど、東急線のラインカラーが入っていない駅名標が存在します。

そういえば「やまとなでしこ」も再放送は厳しい?

この駅名標は決して色あせたものでも、Photoshopで色を落としたものでもなく、グレーのラインカラーの駅名標なのです。東横線なのになぜグレーなのか。それは中目黒駅に乗り入れている東京メトロ日比谷線のラインカラーがグレーであるからですね。中目黒駅は2面4線の駅構造であり、内側の2線を日比谷線が、外側の2線を東横線が使用しており、そのうち日比谷線の2線、2番線と3番線の駅名標がグレー、東横線の2線、1番線と4番線の駅名標がレッドとなっています。この日比谷線仕様の駅名標はラインカラーがグレーになっているだけではなく、駅番号も東京メトロ仕様。東急の駅番号で使われている書体、Myriadではなく、東京メトロで使われているFuturaで表記されています。

 

かつては東横線菊名駅まで直通運転を行っていた日比谷線も、2013年3月16日の副都心線直通運転開始を機に日比谷線の直通電車(通称日比直)が廃止され、すべての電車が中目黒止まりに。そのため直通していない東横線のラインカラーを駅名標に配することなく、日比谷線単独の駅名標となりました。そんな東京メトロ単独の路線であっても駅名標がメトロ仕様ではなく東急仕様になっているのは、中目黒駅が東急電鉄の管理であるからです。それでは直通運転を行っている境界駅の駅名標を見てみましょう。

渋谷から座れなくなっちゃったなぁ...。

東横線と直通運転をしている副都心線との境界駅である渋谷駅は、東急仕様のMyriadの駅番号と東京メトロ仕様のFuturaの駅番号が並んでいます。同じくラインカラーも代官山方は東横線のレッド、明治神宮前方は副都心線のブラウンに。これは、みなとみらい線との境界駅である横浜駅も、2社の駅番号が並んだ同様の仕様となっています。

 

ここで「いけないこと」に気づいてしまいました。「渋谷」の2文字の字間をご覧ください。前のページでグラフィックを用いてご紹介した「蒲田」などに見られる2文字駅の字間よりも広いと思いませんか。これは字間が狭い「石川台」「池上」の逆パターン、字間が広い仕様です。おそらくなんらかの理由があるのでしょう。もしかしたらないのかもしれません。ただ、すべてを見索する労力はここで尽きた模様。基本的におなじデザインであるにも関わらずあまりのバリエーションの豊富さに、いつまでも駅名標の話をしていてはキリがありません。ここはひとつ目を瞑ることにして、次のページでは駅名標以外のサイン、1番線や2番線などといった番線標について見索して行くことにしましょう。しかしそこにはまた深い深い沼が待っていたのです。

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文・写真 _ 石川祐基 | 公開日 _ 2016.05.25

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