わたし、気になります!

これは大変なことになってしまいました。駅名標をメインに番線標をサラッと終わらせるつもりが、調べれば調べるほど深みにハマってしまったのです。まさにアリ地獄。いや、サインシステムを見索する者にとっては天国でしょうか。それではさっそくみなさんを番線標沼へと「かけ足で」ご案内するべく、以下の2つの写真をご覧ください。

上段は前のページでご紹介した元住吉駅の番線標ですね。そして下段は田園都市線すずかけ台駅の番線標です。違い、見つかりましたか。そうです、方面を記した駅名の表記が下段の写真のほうが大きいですね。さらに上段は天地に対して上部に寄っているものの、下段は天地に対して中央です。これはどういうことでしょう。サインシステムが旧デザインから新デザインへと切り替わる過渡期に生まれた仕様なのでしょうか。つまり筐体の小さい番線標には「文字小さめ・上寄りタイプ」と「文字大きめ・中央寄りタイプ」の2種類があるということですね。でもちょっと待ってください、こんなものも見つけてしまいました。

姉さん、事件です。「文字小さめ・中央寄りタイプ」の登場です。これで筐体の小さい番線標には3種類の存在が確認できました。それではさらに英字表記の部分を、これまでの3種類とともに拡大して見てみましょう。

AとBの写真「文字小さめ・上寄りタイプ」(日吉方面)と「文字大きめ・中央寄りタイプ」(中央林間方面)の番線標は、英字書体がHelvetica Regularであるのに対し、Cの写真「文字小さめ・中央寄りタイプ」(溝の口方面)はHelvetica Mediumと、ウェイトが違います。さてみなさん、覚えていますでしょうか。駅名標の英字表記にもRegularとMediumが混在していたことを。実は番線標も同じように2つのウェイトが混在しているのです。また「文字小さめ・中央寄りタイプ」(溝の口方面)のウェイトがMediumの英字表記は、Regularに比べて文字サイズが若干小さいですね。実に興味深いです。

 

このように筐体の小さい番線標に3パターンの存在と、それぞれの違いが確認できたところで、次は筐体が横に長い番線標を見て行きます。

上段は前のページでご紹介した東横線の番線標、そして下段は田園都市線の番線標です。どちらも筐体が横に長い番線標ですが差異はありません。こちらは筐体の小さい番線標と違い、仕様が統一されていると思いきや。

なんということでしょう。「筐体が横に長い」のに「筐体が小さい」2段組み仕様の番線標です。さらに、方面表記が横一列に並んでいるタイプは、駅名が「渋谷・池袋・所沢・川越市」の順番であるのに対し、こちらの2段組み仕様は「渋谷・池袋・川越市・所沢」というように、西武線と東上線の順序が入れ替わっています。さらにもうひとつ。

だんだん混乱してきたよ!

これはもう分からなくなってきました。「筐体が小さい番線標」でありながら「筐体が横に長い番線標」仕様の文字組みです。今までの「筐体が小さい番線標」では見られなかった、路線名と駅名との間の白いラインが入っていますね。こちらはおそらく、サインシステムが旧デザインから新デザインへと切り替わる過渡期に設置されたレアな仕様であるものと思われますが、さらによく目を凝らしてみましょう。番線表記「1」の下、Myriadで記された池上線の路線記号「IK」の「I」が、駅名標などで見られる上下に横棒が追加されたフタ付きの「I」ではなく、そのままの「I」となっています。

 

このように番線標は非常に細かな違いであふれています。いったいどのデザインが最初に生まれて、どのデザインが最新のものなのか。ぜひ調べてみたいところなのですが、調査自体にも限度があり困難です。あとは識者におまかせしましょう。とはいえ、できることならとことん調べてみたい話です。そういえば以前、こんなフレーズが流行した古典部のアニメがありました。今はまさにそんな気分でしょうか。「わたし、気になります!」

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文・写真 _ 石川祐基 | 公開日 _ 2016.05.25

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