今回、JR東日本による駅番号の導入にあたっての最大のポイントと言えば、国内の鉄道会社では初となるスリーレターコードの登場。おもに羽田空港の「HND」や、成田空港の「NRT」、海外ではロサンゼルス空港の「LAX」に、ジョン・F・ケネディ空港の「JFK」など、空港などで用いられてきたアルファベット3文字の略称が、池袋、新宿、渋谷など、一部の駅でも見られるようになりました。

スリーレターコードの書体も駅番号、路線記号と同じくFrutiger Boldですが、表記方法としては、これもまた初となる駅番号を黒地で囲んだ「二重」のデザイン。実はここにJR東日本の駅番号のデザインの特徴が隠されているのです。前のページで紹介した、スリーレーターコードが付与されていない通常のスクエア型の駅番号を見て、なにか気になった方はいらっしゃいますでしょうか。筆者は駅番号導入のプレスリリースを拝見し、まずここに着目しました。

AとB、2つの駅番号の違い、分かりますか。JR東日本の正しい駅番号のデザインはAですが、これだけを見ると、角Rの処理はBのほうがデザイン的により良いように思えます。Aは外周が緩やかな曲線ですが内周が直角と、互いに相反する角の処理方法で、Bに比べてどこか違和感を感じてしまいます。その違和感の原因とでも言いましょうか、他社では東武や西武などの駅番号もBパターンの処理方法です。しかし、ここは天下のJR東日本。内周の曲線を犠牲にしてでも外周の角Rをキツめに設定していることには、きちんとしたの理由があったのです。それがこのスリーレーターコードの存在です。

さぁ、どうでしょう。先ほどはデザイン的な視点としてBが良かったように思えましたが、スリーレターコードの黒枠を挿入するとAに安定感が出ました。BはAに比べて曲線がなめらかすぎるがゆえに、Aと対比することでどこか不安定に見えてしまうのです。直線的な造形が多い駅名標の中では特に目立つことでしょう。つまり、JR東日本の駅番号の形状は、スリーレターコードの挿入を考慮した上で設計されたデザインであると考えられるのです。あくまでも主観ですが。

ちなみに例にあげたJY-01は、山手線東京駅の駅番号を忠実に再現したものですが、個人的には「TYO」の字詰めが気になってモヤモヤ。しかし「ひとつのグラフィック」を制作するならまだしも、サインシステムでいちいち字詰めを気にしていたら仕事が成り立ちません。こういう余計なところに茶々を入れるような人間は、本当にお茶でも飲んで静かにしていてほしいですね。茶だけに。どういうわけか筆者は幼少期から茶々を入れるのが大好きな性格で、何度となくオトナに怒られてきました。それなりの歳になった今でも、つい茶々を入れてしまう性格は、まるで勝俣州和さんの半ズボンのように、いつまで経っても変わることはないようです。CHA-CHAだけに。

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